死と啓蒙―十八世紀フランスにおける死生観の変遷 (テオリア叢書)

死と啓蒙―十八世紀フランスにおける死生観の変遷 (テオリア叢書)

著者はイギリス人だが、アナール学派的な手法で、18世紀の社会(とりわけ農民、貧困町民層)における医学、病、出産と生存率、臨終から葬儀、墓地、自殺……といったテーマを論じている。膨大かつ詳細な数値的データから、病と死――ロマンティックな退廃趣味ではなく、悪臭を放ち肉体を腐敗させるような――を取り巻いていた現実が浮かび上がってくる。18世紀の「医学」や「病(についての表象)」というテーマに関して、これまで自分が依拠してきた書物――バーバラ・マリア・スタッフォード『ボディ・クリティシズム』やフーコー臨床医学の誕生』に代表される――からは抜け落ちている視点を、緻密に提示してくれる一冊。