2010-03-26 ■ 書籍 書籍 死と啓蒙―十八世紀フランスにおける死生観の変遷 (テオリア叢書)作者: ジョン・マクマナーズ,小西嘉幸出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1989/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る著者はイギリス人だが、アナール学派的な手法で、18世紀の社会(とりわけ農民、貧困町民層)における医学、病、出産と生存率、臨終から葬儀、墓地、自殺……といったテーマを論じている。膨大かつ詳細な数値的データから、病と死――ロマンティックな退廃趣味ではなく、悪臭を放ち肉体を腐敗させるような――を取り巻いていた現実が浮かび上がってくる。18世紀の「医学」や「病(についての表象)」というテーマに関して、これまで自分が依拠してきた書物――バーバラ・マリア・スタッフォード『ボディ・クリティシズム』やフーコー『臨床医学の誕生』に代表される――からは抜け落ちている視点を、緻密に提示してくれる一冊。