リドリー・スコット監督『ブレードランナー』(1982年)のアジア的な汚れた未来都市イメージ

映画的建築/建築的映画

映画的建築/建築的映画

スコットの世界観はテクノ・オリエンタリズムを想起させる。これは欧米において未来テクノロジーの国としてアジアが表象されることをいう。つまり、時間的な未来であるテクノロジーと空間的に遠いオリエンタリズムが重なる、二重の他者。「西洋」が幻想する「オリエント」は伝統とハイテクが共存しており、その異世界が西洋を魅了する。
五十嵐太郎『映画的建築/建築的映画』2009年、120-121ページ)