薄いヴェール

薄いヴェールは欲望を掻き立てる。女たちはすべてを拒みつつもすべてを受け入れる。まさしく薄布とは、神々の顕れなのである。というのも、薄布は快楽の源泉であり、快楽の糧なのだから。もっと言えば、薄布は建築芸術の後ろ盾であり、ときには、この芸術の統治する帝国を救済するのであるから。
(白井秀和訳『ルドゥー『建築論』註解』第1巻、16ページ。)