考える皮膚 触覚文化論(増補新版)

考える皮膚 触覚文化論(増補新版)

初版刊行は1993年。新作と間違えて購入し、途中で違和感を覚えて確認したところ、大分前に書かれた論考と分かる。修士1年の頃、今よりもずっと即物的に「皮膚」の問題を考えていたときに一度手に取り、しかし文化人類学的な観点が当時の自分の関心にはそぐわず、そのまま読むことなく来てしまった一冊。取り上げられているモティーフも問いの立て方も、もはや古典的皮膚論となってしまっているが、「皮膚」というテマティックにまつわる問題系を整理し直すことができた。
なかでも、1980年代のアメリカでは「人体解体」の作業が、特に女性アーティスト(キキ・スミス、ヤナ・ステルベック、アンジー・アナキス)による立体作品の分野で行われるようになった、という指摘が面白い(128ページ)。ここでは人体断片は、無機物で表現される。


夢の涯てまでも [VHS]

夢の涯てまでも [VHS]

上掲の書籍で紹介されていた映画。盲目の母親に、特殊装置を用い電子信号として収集した息子による視覚経験を、脳への入力として移行させるというストーリーだとか。これは自分が是非見ておくべき作品だろう。(アマゾンだとVHS版しか捕捉されていないようだ。)