ガス燈 [DVD] FRT-068

ガス燈 [DVD] FRT-068

この映画に因んだ、「gas lighting」という心理学用語も存在するらしい(http://en.wikipedia.org/wiki/Gaslighting)。それはともかく、一見独立しているように見える集合住宅をトリックに用いているところが面白い。建物にはそれぞれ出入り口の柱に番号が振られている。刑事が建築物の平面図を片手に犯人の行動を推測する場面は、ヒッチコック作品でも出てきたような記憶がある。道と平行に街路を写し出すアングルも、スタティックだが説明的で面白い。(妻と暮らす家を出て、屋根裏への通路のある「5番の家」へと向かう男の姿が、客観的な視点から写し出される。)表面が濡れて鈍く光る石畳、靄に包まれてぼんやりと光る街灯など、霧に包まれた夜の街の情景が、非現実的な美しさ。