ジウゼッペ・ヴァラディエール

ほどなくピラネージは、自分よりも遥かに若いローマの建築家、ジュゼッペ・ヴァラディエルの中に、ひとりの追随者を見いだした。ヴァラディエルの建物の数々と1790年頃に描かれた数多くの図版は、彼もまた、各要素の何らかの新しい秩序をなし遂げようと望んでいたことを明らかにする。私は彼の中に、ピラネージの追随者を見る。もっとも、彼の作品には、かのヴェネツィアの大家のロマン主義的な雰囲気の形跡はほとんど見あたらないのではあるが。彼は、革命的な興奮が行き過ぎた時代に活動を行った。
エミール・カウフマン『理性の時代の建築――イギリス、イタリアにおけるバロックバロック以後――』白井秀和訳、中央公論美術出版、1993年、272-273ページ。)

Giuseppe Valadier:18世紀ローマの建築家、古遺物研究家。
Wikipedia
archinfo.it(年表・作品一覧・参考文献)
カウフマンによれば、アメリカのクーパー・ユニオン美術館(サイト)に、このヴァラディエールによる建築案の図面が収められている。(サイト上のe-museumには今のところ掲載されていないようだ。)