シンポジウムのご案内

日本ドイツ学会第24回総会
2008年6月21日(土)筑波大学 総合研究棟 A
参加費 500円
(共催 筑波大学人文社会科学研究科)
シンポジウム 
「記憶と想起の空間−−ドイツにおける歴史意識のアクチュアリティ」
13時45分−17時45分 総合研究棟 A111
司会 足立信彦(東京大学・教授)
田中洋子(筑波大学・准教授)
1.「ドイツ記念碑論争  1985-2008」松本彰(新潟大学・教授)
東西ドイツ統合、首都の移転という激動の中で、記念碑をめぐって多くの論争が起きている。広義では国会議事堂などの歴史的建造物、歴史博物館なども記念碑である。「新しいドイツ」を象徴する記念碑がいろいろ計画され、それらと「古いドイツ」=「ドイツ史」との関係があらためて問われている。 20 世紀のDDR、ナチズム、二つの世界大戦だけではない。 19 世紀、さらにはそれ以前のドイツも、問い直されている。 
2. 「記憶の公共空間に介入する現代アート」香川檀(武蔵大学・教授)
ドイツでは 1980 年代からナチズムやホロコーストという〈負の過去〉をテーマとした現代美術が顕著な傾向として見られるようになり、公共の場にも記念碑に代わるパブリック・アートとして戦争や迫害の記憶に関する作品が数多く制作されている。本報告は、ドイツにおける公共芸術の伝統と 80 年代の文化政策の転換を辿りつつ、戦後の〈過去の克服〉と連動するかたちで登場した新しい記念碑アートに焦点を当て、その可能性と問題点を検証する。
3.「 BAUHAUS 、「閉鎖」後の ??ナチスアメリカ/東西ドイツ??」長田謙一(首都大学東京・教授)
アウシュヴィッツ( 1979 年登録)、原爆ドーム( 96 年)とともに第二次大戦の記憶に関わる〈世界遺産バウハウス( 96 年)は、はたしていかなる〈遺産〉とされうるのか。 30 年代後半以来美術・デザインのみならず社会そのものの希望の表象「民主主義のアポロン」としてアメリカから喧伝され続けたデッサウ・バウハウス校舎は、実は閉鎖後ナチスの地区各種学校等として使用され、 45 年米軍爆撃で破壊され、 76 年に DDR のもとで再建されていた。そのガラスのカテドラルは、歴史の局面に応じて異なる光に輝いてきたのである。
4.「《記憶論的転回》以後の歴史意識をめぐる試論」岩崎稔東京外国語大学・教授)
20世紀の最後の十余年からこのかた、「記憶」と「想起」と「忘却」に関する論争的な局面が、広範な地域、多様な文脈に広がっている。本報告では、こうした兆候が歴史認識と歴史意識にもたらしている、知のモードの、たんなる「景気循環」にはとどまらないような変容を《 mnemologische Wendung 》と概念化して、試論的に検討する。とりわけ、「文化的記憶」の際たる事例としてのモニュメントや、それをめぐる論争が提示する位相が、そうした《転回》の指標として利用可能であると考えている。
会場  筑波大学総合研究棟Aへのアクセス
つくばエクスプレスつくば駅」から筑波大学循環バスで約10分、「筑波大学中央」バス停の前
自家用車利用の場合は「中央口案内センター」にて駐車手続きをしてください
詳細は
http://www.tsukuba.ac.jp/access/tsukuba_access.html ( 筑波キャンパス交通アクセス )
http://www.tsukuba.ac.jp/map/access/rootbus.html筑波大学循環バス運行時刻表)
(「総合研究棟 B 」は離れたところにあります。お間違えなく。)
宿泊予約
筑波大学の大学会館に宿泊することができます。
料金 シングル 2 , 700円 ツイン  2人使用 2 , 900円、シングルユーズ 3 , 200円
希望者は、大学会館029−853−2386に直接に電話し、「ドイツ学会のために宿泊希望、紹介者は歴史人類学の姫岡とし子教授」である旨を告げて、予約してください。朝食も別料金でとれます。先着順ですので、宿泊をご希望の方はお早めに御予約ください。