ローマ百景〈2〉―建築と美術と文学と

ローマ百景〈2〉―建築と美術と文学と

「ピラネージとフランスの芸術家たち」と題された章が、226−237ページに収められている。ヴィラ・メディチでの同タイトルの展覧会に触発されて書いたものか?
ピラネージの版画店の向かいにフランスのアカデミーがあったそうで、そんな地縁もあってか、「ピラネージ風」の廃墟画家は、ユベール・ロベールをはじめフランスにはかなり多い。ただ、モティーフや画風の表面的な類似を超えて、ピラネージがもつ「異常さ」や「過剰さ」や「新しさ」までもを継承した画家が、果たして存在したのかどうか。