Big BangをBig banと書いてしまったり、desirをなぜか英語綴りでdisireとしてしまったり、早くも木の芽どきな今日この頃ですが。

ベルメールつながりで。「身体完全同一性障害」という一種の精神疾患があるらしい。自己の四肢切断を希求したり、四肢の完全性を欠いた身体に性的興奮を感じたりするのだという。
Definition of Body integrity identity disorder

人形の身体を眼差す者の欲望については、既に様々な分析がなされているけれど、その身体を持つ人形自身の欲望はどうなるのだろうか。あるいは、人形を客体たる他者ではなくて、むしろ自分の身体の代替物ないしは延長として捉えるような観者のdesirとか。

ベルメール展の翌日にヴァンヴの蚤の市に行ったら、壊れかけた人形に何体か出会って、不思議な連合を感じた。頭部のない人形二体を並べていた露店もあった。エルンストのもじりではないけれど、まさしくla femme sans tete。フローティングアイ(寝かせると目を閉じる仕掛け)の人形の、ガラスの眼球とそれを繋ぐ金具だけのものも売られていて、それはなんだか眼を刳り貫かれた聖女、サンタ・ルチアのアトリビュートみたいだった。

(画像はこちらのサイトから。フランチェスコ・デル・コッサ『サンタ・ルチア』全体図はこちら。)

そういえば、少し前のことですが、このダイアリのタイトルを変更しました。せっかくbaby-aloneというIDを取ったのだから、Babyloneにしようかということで。紙上建築という自分の研究テーマにも、インターネット上のアーカイヴという此処の性質にも、微妙に通底するのではないかと。