ヘテロトピアとアナロジー

ある種の失語症患者は、台(ターブル)の上におかれたいろいろな色の毛糸の束を、整合的なやり方で分けることができないという。[…] 彼らは、物がふつうに配分され名づけられるなめらかなこの空間に、粒状で断片的なおびただしい小領域をつくりだし、そこでは、名もあたえられぬ類似関係が、物を非連続的ないくつもの孤島のなかに押し込めてしまう。

ミシェル・フーコー『言葉と物』渡辺一民佐々木明訳,新潮社,1974,pp.16〓17.)