廃墟

「ロヴィニスモ」から9.11まで、廃墟を巡る言説は様々にあるが、つまるところ廃墟に自分が魅了されるのは、本来無機的であるはずのものが逆説的に纏ってしまう有機性の故だと思う。ところどころに染みや剥落を見せる壁は、年老いた生き物の皮膚のようで、暴力的に繁茂する植物に半ば侵された建築は、冬虫夏草、あるいは死者の身体から若木の生えた「死と再生」の寓意画を思わせる。

廃墟化した建築とはまた、都市の中のヴォイド(空虚)でもある。周囲との関係性も共通の時間軸も断絶されているかのような、不思議な静謐さに支配されているのだ。