前々から行きたいと思っていた原美術館(品川)の「パトリシア・ピッチニーニ展」に赴き、その後隣駅の田町まで足を伸ばして「ヴィンセント・ギャロ展」へ。ピッチニーニは強度をもって訴えかけてくる作品だったけれど、いかんせんインスタレーションで6作品しかなかったのが残念。ヴェネツィアビエンナーレのときのリーフレットに邦訳補遺をつけただけのカタログが2,500円もするのも、納得がいかない。(例えば国立西洋美術館なら、同じくらいの値段で数十倍の質と量のカタログを作っている。)

ヴィンセント・ギャロ展は、そこそこよいけれど、でも「マルチ・アーティスト、ギャロ」という作家性抜きにして、あのドローイングと写真がどこまで受容されるのかは疑問だ、と思ったり。廃ビル(旧沖電気東洋ビル)をそのまま使った会場(現ピラミッドビル)の雰囲気はなかなかよかった。