美術史の諸言説
島根県立美術館(会期終了)・横浜美術館(2009年6月12日〜8月31日)で開催中の「フランス絵画の19世紀」展特設ウェブサイトに、以下のブログ記事を寄稿致しました。 「ヴィーナスと「世界の起源」――19世紀絵画の裸体表現の双極――」 ご高覧頂ければ幸いです。…
◆疑念と寓意 ルドンとゴーギャンに関する新視点 日時:2009年7月12日(日)16:00–18:00 場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール アクセス:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map02_02_j.html キャンパス内マップ:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/…
聖母像の到来作者: 若桑みどり出版社/メーカー: 青土社発売日: 2008/10/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (16件) を見る
画像はAmazon.co.jpより(http://www.amazon.co.jp/dp/B0000026TR/)。 現代の商業的・大衆的なヴィジュアルの中に現れ出た「聖セバスティアヌス」イメージについては、こちらのブログ記事が幅広く網羅している→http://d.hatena.ne.jp/HODGE/20080224。 腕を…
コルマールのウンターリンデン美術館で購入した絵葉書。グリューネヴァルトによる《イーゼンハイム祭壇画》の様々なディテール。絵画はタブロー全体でひとつのunitéを構成しているはずなのに、切り取られた細部だけでも絵画として自律してしまう。左下は《聖…
とある文章の執筆のために、INHAのシンポジウム履歴を漁っていたところ、今後の自分の研究にとって参考になりそうな記述を、いくつかみつけた。メモ代わりにコピー&ペースト。 Bibliothèques d’architecture : question de sources et de méthodes(建築と…
講演者:ヴィクトル・I・ストイキツァ(フリブール大学) コメンテーター:アンナ・マリア・コデルク 演題:カラヴァッジョの天使たち "Les Anges du Caravage" 日時:2月27日(金)16:30開始 場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーシ…
メーリングリストで回ってきた、日本での講演会のお知らせです。 2月下旬に美術史家のV.I.ストイキツァ氏が来日され、京都・福岡・東京の3都市で講演会が開催されることになりました。ボードレールのアフォリズムからの引用をタイトルに冠したこの講演会で…
The Expression of the Passions: The Origin and Influence of Charles Le Brun`s "Conference sur l`expression generale et particuliere"作者: Dr. Jennifer Montagu出版社/メーカー: Yale University Press発売日: 1994/09/10メディア: ハードカバー ク…
バロック期のセヴィリヤの彫刻家、Juan Martínez Montañés(マルティネス・モンタニェス)の作品が数多く載せられているブログを見つける。 http://elpretorio.blogcindario.com/2008/06/03918-425-anos-del-nacimiento-de-un-genio-juan-de-mesa.html他日の…
以前のエントリーで触れたルネサンス期の画家でジョットの曾孫弟子でもあるチェンニーノ・チェンニーニによる技法書Il Libro dell'arte、今いろいろと調べ直してみたら、邦訳も2冊ほど出ているようだ。 中村彝・藤井久栄訳『藝術の書: 絵画技法論』中央公論…
Règlement pour le cabinet des estampes, c.a.1800, Musée des Beaux-Arts à Dijon. Master2論文までは、ピラネージの形態のマニエラのようなものを分析してきたけれど、折角ディジョンに来たということもあるし、もっと個別の事例や個々の資料に密着した調…
古今東西の逆さ磔刑の図。画像は左;フィリッポ・リッピ「シモン・マグスとの討論と聖ペテロの磔刑」1481-82年、画像出典Web Gallery of Art、中央;月岡芳年「奥州安達がはらひとつ家の図」1885年、画像出典Wikipedia、右;天堂寺慎、制作年未詳(1970年代…
ローマにいたニンファたち。 目眩まし 緞帳としての宇宙 カーテンとその向う 二次元と三次元 窓の奥
白い大理石の彫像は単純に「美術作品」として享受しうるのに、蝋人形や着色彫像などの「過剰に似ている」像はどうして不気味に思えるのか。ずっと疑問に思っていたのだけれど、最近「不気味の谷」という概念があることを知った。 ウィキペディアの「不気味の…
Consortiumでインターン研修を行った際に、ショップ設営の手伝いもしたのだが(その日記)、その時以来「アート作品/商品」という二種の融合状態について、ずっともやもやと考えてきた。芸術作品が商品となる、あるいはその安価なコピーが大量生産の商品と…
翻訳の見直しでヨーロッパ系固有名詞のカタカナ表記について調べていたら、お菓子のおまけ的な偶然で、いくつか面白そうな情報に辿り着いた。 ルネサンス期の画家、チェンニーノ・チェンニーニ(Cennino Cennini)が著した『絵画論』の原稿が、オンライン上で…
Jean-Pierre Mourey, Philosophies et pratiques du détail : Hegel, Ingres, Sade et quelques autres, Seyssel : Champ Vallon, 1996. http://www.amazon.fr/dp/287673222X/
左)Sandoro Botticelli, Cestello Annunciation, 1489-90. 右)Giotto di Bondone, Noli me tangere, 1320s. 先週の日曜日(3月23日)が復活祭(Pâques)で、来週の月曜日(3月31日)が受胎告知の日(Annonciation)。だから話題にするわけでもないのだけれど、…
Louis Marin, Opacité de la peinture : Essais sur la représentation au Quattrocento (1989), Paris:EHESS, 2006. http://www.amazon.fr/dp/2713221056/ 受胎告知において、受肉の玄義の本質を為すものとしてのコミュニケーション(c.f.ヤコブソン、バン…
Georges Didi-Huberman, La peinture incarnée, Paris:Minuit, 1985. http://www.amazon.fr/dp/2707310093/
Michael Baxandall, L'oeil du quattrocento, Paris:Gallimard, 1985. (Texte original, Oxford UP, 1972.) http://www.amazon.fr/dp/2070704440/ これもレポート用。表紙になっているウッチェロの『サン・ロマーノの闘い』、よく見ると左下に横たわっている…
Daniel Arasse, L'Annonciation italienne: Une histoire de perspective, Paris: Hazan, 1999. Amazon.frのページ:http://s-url.jp?12323 『受胎告知』のテーマを、その出来事が起こる空間の表象形式(透視図法)という観点から分析したもの。
Gérard Noiriel, Sur la > de l'histoire, Paris: Gallimard, 1996(2005). 歴史学の学説史、ならびに「学」としての制度形成史を、入念に要点を取り込みつつ網羅的に説明したもの。歴史学の特定の立場にコミットすることなく、俯瞰的な視点の確保に努めた記…
毎週あるオムニバス形式のセミネール、今日はBertrand Prévost氏による講義だった。EHESS(パリ高等社会科学研究所)で博士号を取得後、現在はパリ第1大学(Panthéon-Sorbonne校)で教鞭を取っているという、まだ若い美術史・美術理論研究者である。 クアト…
[タイトル] 「オウィディウス・挿絵・アーカイブ・・デジタル時代の図像学を考える」 [日 時] 2007年9月29日(土) 午後13時30分〜19時00分 [場 所] 日仏会館1Fホール(東京都渋谷区恵比寿3-9-25) [開催趣旨] 近年、美術史研究の視点はますます多様化して…
ヴェネツィアの石―建築・装飾とゴシック精神作者: ジョンラスキン,John Ruskin,内藤史朗出版社/メーカー: 法藏館発売日: 2006/10/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見るラスキンの代表的著作のひとつ。この邦訳に付されたサブ…
和辻哲郎の『イタリア古寺巡礼』(岩波文庫版)で使われている図版の一部が、矢代幸雄の『サンドロ・ボッティチェルリ』からのものだった。もちろん許可は取ってあるのだろうけれど。あとがきで高階秀爾氏も述べているように、和辻のボッティチェッリの分析…
児島喜久雄(1887―1950):矢代の帝大時代からの友人。レオナルド・ダヴィンチ研究。リップス、マックス・フリートレンダーらドイツ系美学・美術理論を継受。 阿部次郎(1883―1959):ドイツの美学者テオドール・リップスによる「感受移入論」の、日本への紹介…