2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

蛙が殺された、 子供がまるくなつて手をあげた、 みんないつしよに、 かはゆらしい、 血だらけの手をあげた、 月が出た、 丘の上に人が立つてゐる。 帽子の下に顔がある。 (萩原朔太郎「蛙の死」、『月に吠える』1917年) あけがたの黒いミルク 僕らはそれ…

長い眠りの後に、ぼんやりと頭の中に入ってきた言葉を書き留める。詩作というより自動記述。解説を求められても、「向うからやって来た」言葉の列なので、作者の意図というものは無い。 このブログは研究のためのメモとしてやってきたけれど、他に残しておけ…

サド、リベルタンたちの避難所

さて、サドの強者は弱者たちを、それがなくては彼らが生きてはいきない相互援助の連関から引き離し、多くの場合、人里離れた山奥、孤立した城(「そのすばらしい城は孤立していた isole」)、地下などに幽閉し、自分たちの情欲の満足のための道具と化す。サ…