2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

お知らせ

『ユリイカ』9月号(特集:サド――没後200年・欲望の革命史)に、「サド、建築家」と題した小文を寄稿いたしました。もうじき書店にも並ぶかと思います。ご高覧いただければ幸いです。 目次はこちら:http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791702770なお…

今日が最終日だったヴァニラ画廊の「オリエント工業 人造乙女博覧会IV」へ。 会場で気付いたのは、まず「ラヴ・ドール」たちが妙に曖昧な表情をしているということ(ラ・スペコラの解剖学のヴィーナスなどを連想した)。人形の保有者が、あらゆる感情や意味…

最近観た映画メモ:デヴィッド・リンチ『インランド・エンパイア』2006年 夢から醒めたはずが、次々と別の夢へと滑り落ちていくかのような、「劇中劇」というメタ構造の枠が溶解してしまったような作品。クリストファー・ノーラン『インセプション』の厳密で…

着衣と裸体、半裸体――バタイユによるサド

エロティシズム (ジョルジュ・バタイユ著作集)作者: ジョルジュ・バタイユ,澁沢龍彦出版社/メーカー: 二見書房発売日: 1973/03/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 私たちにとってエロティックな過剰を思い出させる局面は、必ず一種の無秩…

リルケ『マルテの手記』の廃墟描写

マルテの手記 (新潮文庫)作者: リルケ,大山定一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1953/06/12メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (37件) を見る それから、あんな家があるといったら、果たして誰が僕を信じるだろうか。[…]果たして…

黒沢清やデヴィッド・リンチの映画を見ていてふと思ったこと。「映画内空間とカーテン」というのは結構面白いテーマなのではないか。二つの空間の間を区切りつつ、壁ほど堅固でなく窓のように透明でもなく、しかし扉より曖昧で、波打つ柔らかさと運動性があ…

最近みた映画のメモ デヴィッド・フィンチャー『ファイトクラブ』(1999年)、岩井俊二『ヴァンパイア』(2012年)、それから園子温の『自殺サークル』(2002年)。いずれの作品でも黙示録的世界観に支配された仮名のコミュニケーションが、共同体として確立…