2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

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ディジョン建築探訪

サン・ミシェル教会。ゴシックとルネサンスの混淆様式。壁面に細やかな装飾の施されたこの教会は、観光案内書では「石造りのレース(une dentelle de pierre)」と形容されている。とりわけファサードの穹窿を埋め尽くす夥しい数の天使たちを眺めていると、…

教皇クレメンス13世

最盛期のピラネージのパトロンだったのが、同郷人(ヴェネツィア出身)の教皇クレメンス13世(在位1758-1769)である。クレメンス13世の時代は、ヨーロッパ各国(スペイン、ポルトガル、両シチリア王国、ナポリ王国)でイエズス会士追放の動きが強まり、また…

ディジョン建築探訪

ライオンの棲む家。木彫で表現された、重たげだけれどもダイナミックな襞が目を奪う。

Imaginaire érotique au Japon

編集画面で表示される「リンク先」を見たら、「蛸(タコ)に犯され」という衝撃のフレーズで検索した上でのアクセスが計4件も。「なんでこんな検索語句を思いついたんだ?」と訝しみ、実際にGoogleで調べてみたら、「大蛸に犯される女性」というのは、少なく…

絵画論など

翻訳の見直しでヨーロッパ系固有名詞のカタカナ表記について調べていたら、お菓子のおまけ的な偶然で、いくつか面白そうな情報に辿り着いた。 ルネサンス期の画家、チェンニーノ・チェンニーニ(Cennino Cennini)が著した『絵画論』の原稿が、オンライン上で…

インターン研修先である現代アートギャラリー、Consortiumの事務所が入っている建物。かつては製靴工場だったそうだ。近日中に建て替えが決まっていて、聞いた話では坂茂が新しい建物の設計を手掛けるとのこと。(坂氏のサイトを見ると、ディジョンのアパー…

ディジョン建築探訪

19世紀に作られた屋根付き市場la Halle。鉄とガラスという19世紀商業建築を象徴する素材で作られているが、鮮やかな色で塗り分けられていて、どこかキッチュな雰囲気のある空間。 アパルトマンの最上階から眺めた目抜き通り。 市街地には、こぢんまりと可愛…

Stage au Consortium

コンソーシウム(Consortium)というディジョンの公立現代アートギャラリーで、現在インターン研修をしているところ。6月9日から13日までは、会期の終了した展覧会(Sturtevantというパリ在住のアーティストによるインスタレーション)の撤去作業と展示室の原…

Jan Fabre au Louvre : L'Ange de la métamorphose展(ルーヴル美術館)

ルーヴルの複数の展示室内に、そこに描かれている主題と呼応するファーブルの作品を配置したもの。ルーヴルの既存の展示とファーブルとがコラボレイトしたインスタレーション。フランスのプリミティヴ絵画の部屋では、ピエタと磔刑図(つまり身体的な面も含…

Traces du sacré展(ポンピドーセンター)

「神の死」(ニーチェ)や「神の後退」(ボードレール)以降の「聖なるもの」の表象のあり方(あるいはその非存在)を、19世紀以降の芸術作品の中に探るもの。ゴヤやルドン、フリードリヒといった「古典的作品」もあるが、ほとんどはモダンやコンテンポラリ…

Dominique Perrault展(ポンピドーセンター)

ドミニク・ペローはパリ国立図書館の設計などで知られる、フランスの建築家。galerie sudを使った、展覧会としては比較的小規模なものだった。当初のコンセプトを表すラフ・スケッチのぐちゃぐちゃの非定型な線(これがリジッドでソリッドな建築物になるとは…

都市の中の顔と人体(パリ)

細部

Jean-Pierre Mourey, Philosophies et pratiques du détail : Hegel, Ingres, Sade et quelques autres, Seyssel : Champ Vallon, 1996. http://www.amazon.fr/dp/287673222X/

Agnès Giard, Intelli Yakuza, L'imaginaire érotique au Japon, Albin Michel, 2007. 昨秋のディジョン「祭典」(ジャポニスム系フェスティバル)で存在を知り、書店の画集コーナーでたびたび見掛けつつも躊躇していた一冊、遂に意を決して購入。内容は、江…

visage urbain

ex voto

考古学博物館の収蔵品から。 上段はex votoと呼ばれる奉納物。病に冒された身体部分の模造を神に捧げ、快癒を祈願したもの。手や脚、頭部などの表現はとてもリアルなのに、生殖器関連は妙に抽象化・形式化された造形になっていた。 頭部のない石像は、紀元後…

カミーユ・クローデル展

サン・ベニーニュ教会付設の考古学博物館(かつての僧院)にて開催中のもの。 展示されている作品数は決して多くはなかったが、15歳から壮年まで、作風の変遷を辿れる構成となっていた。アルフレッド・ブシェール(彼女のアカデミー時代の師)やロダンの作品…

桜の木

ふとしたことで「日本における桜のシンボリズム」について調べていたら、面白いテーマをふたつ見つける。 ひとつは、日本の近世文化の中で、「桜の木」が此岸と彼岸、現実世界と異界との閾になっているパターンが多いこと。桜の木を墓標にする、枝垂れ桜の枝…

Egyptomania

最近オンラインニュースで知って、妙に興味を惹かれてしまったのが、青森県戸来村に伝わる諸伝説。村内の円形墳墓が、ゴルゴダでの磔刑を免れ日本へと渡来してきたイエス・キリストの墓であるだの、ピラミッドが存在するだの、ヘブライ語・ユダヤ文化圏に属…