2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

未入手本:文字とイメージー―アルファベットの形象化

Massin et Roland Barthes, préface par Raymond Queneau, La lettre et l'image : La figuration dans l'alphabet latin du VIIIe siècle à nos jours(1970), Paris: Gallimard, 2003. http://www.amazon.fr/dp/2070117758/ 図書館のオンライン検索システム…

左)Sandoro Botticelli, Cestello Annunciation, 1489-90. 右)Giotto di Bondone, Noli me tangere, 1320s. 先週の日曜日(3月23日)が復活祭(Pâques)で、来週の月曜日(3月31日)が受胎告知の日(Annonciation)。だから話題にするわけでもないのだけれど、…

Louis Marin, Opacité de la peinture : Essais sur la représentation au Quattrocento (1989), Paris:EHESS, 2006. http://www.amazon.fr/dp/2713221056/ 受胎告知において、受肉の玄義の本質を為すものとしてのコミュニケーション(c.f.ヤコブソン、バン…

ディジョン建築探訪

ウィルソン広場の傍にあるシナゴーグ(ユダヤ教会)。 玄関扉の上には、渦巻き状の枝を持つ樹と(よく見掛けるダヴィデの星ではなく)正三角形の意匠が。古代ユダヤ思想における、生命の樹と三位一体(エロヒム、ヤハウェ、ルーハ)を表しているのだろう。 …

Georges Didi-Huberman, La peinture incarnée, Paris:Minuit, 1985. http://www.amazon.fr/dp/2707310093/

クァトロチェントの視

Michael Baxandall, L'oeil du quattrocento, Paris:Gallimard, 1985. (Texte original, Oxford UP, 1972.) http://www.amazon.fr/dp/2070704440/ これもレポート用。表紙になっているウッチェロの『サン・ロマーノの闘い』、よく見ると左下に横たわっている…

大学の図書館にも市立図書館にも、J.L.NancyのNoli me tangereやMassimo CacciariのL'ange nécessaireが入っていなくて、ちょっと意気消沈。前者はレポート課題の「(セミナーの主題への)個人的関心」で軽く触れようかという程度、後者に関してはロータリー…

カンヴァセーションピースとシアトリカリティ

Peter Greenaway監督のLa ronde de nuit(Nightwatching邦題レンブラントの夜景)を見てきた(といっても、もう2週間以上も前の話だ)。『夜警』の製作背景を中心に、画家レンブラントの生涯を描いたもの。 最初の場面は、劇場の舞台と思しき空間の中央に設…

聖なる空間と透視図法

Daniel Arasse, L'Annonciation italienne: Une histoire de perspective, Paris: Hazan, 1999. Amazon.frのページ:http://s-url.jp?12323 『受胎告知』のテーマを、その出来事が起こる空間の表象形式(透視図法)という観点から分析したもの。

裏窓の隣人

今フランスで流行っているらしきRenan Luceという歌手の『les voisines』という曲のヴィデオクリップ。「お隣さんは男より女の方がいいな〜」と延々リフレインし、彼女がベランダに可愛い下着を干しているのを眺めるのが楽しみだから、自動乾燥機を発明した…

ディジョン建築探訪

開いた窓から、ぬいぐるみを手に外を眺める少年。実はこれ、全て騙し絵。建物の壁面に突然現れるトロンプ・ルイユ、パリのものはけっこう有名だけれど、ディジョンの街角でもときどき出会うことができる。この騙し窓の隣には、同じように青緑色の木枠の嵌っ…

ディジョン建築探訪

11世紀以降、戦争による襲撃にも焼き討ちにも遭わなかったというこの街には、中世のままの建築物と街路が残っている。いくつもの道や路地が錯綜する都市の形態は、区画整理によって碁盤状に整えられた地勢に慣れた日本人の身体には、迷宮のように感じられる…

味覚の生理学/病理学

食べるという、本来生理的で本能的、その意味では自然的であるはずの営為に、様々な(社会的な、倫理的な、あるいは美的な)「枠cadre」が嵌められ、その「枠」による締め付けが時には過剰な、常軌を逸した、病的なものとなってしまうという現象に、長らく関…

ディジョン建築探訪

サン・ベニーニュ聖堂(Cathédrale Saint-Benigne)。空に突き刺さるような尖塔をもつこの教会は、ゴシック式聖堂建築の一例だが、屋根にはこの地方特有のジグザグ模様の光沢瓦が使われている。11世紀初頭の建立。敷地内には考古学美術館が併設されている。 オ…

Béatrice Didier, "Ledoux, écrivain", édité par Ternois Daniel, Soufflot et l'architecture des Lumières, SNRS, 1980, pp.253-259. 『スフロと啓蒙主義時代の建築』と題された論集に収められた、「著述家」としてのルドゥーに焦点を当てた論考。装飾過…

ABCDaireを更新しました。http://d.hatena.ne.jp/rodano/20080315

昨日の読了本に挙げたギンズブルグ『歴史・レトリック・立証』だが、仏語版(Rapports de force: Histoire, rhétorque, preuve, tr. par Jean-Pierre Bardos, Paris: Gallimard, le seuil, 2003)には、邦訳版にはない第5章「エキゾティシズムを越えて」が付…

ディジョン建築探訪 Palais de justice

ルネサンス式のファサードを持つ裁判所の建物。扉は非常に装飾的で、花綱飾りやヘルメスの錫杖、それから身体を捩った人物柱(カリアティド)が丸彫りされている。倒立した鍵穴からは、ステンドグラスの鮮やかな色彩が見えた。

ディジョン建築探訪

ノートルダム寺院の尖塔の上で暮らす、機械仕掛けの人形一家。鐘付き男のジャックマールに寄り添うのは、妻のジャクリーヌ、息子のジャックリーノ、そして娘のジャックリネット。澁澤龍彦の「人形愛の形而上学」にも、この時計塔の住人たちについての言及が…

これから読むべきもの

ブロニスラフ・バチコ『革命とユートピア』森田伸子訳、新曜社、1990年. (Bronislaw Baczko, Lumières de l'utopie, Paris, 1978.) 現在アマゾンでは中古しか扱っておらず、30,000円という強気の値段が付いている。 Amazon.jpのページ:http://s-url.jp?119…

読了

歴史・レトリック・立証作者: カルロギンズブルグ,Carlo Ginzburg,上村忠男出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2001/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (20件) を見るレポート課題のために再読。歴史記述を虚構(フィクション…

東京都庭園美術館にて「建築の記憶ー写真と建築の近現代ー」展、3月31日(月)まで開催。 本展は、近現代の日本の建築を、同時代の写真家がどのようにとらえたかを辿りながら、建築史と写真史の変遷と接点を概観する試みです。これまで語られることのなかっ…

Musée de l'histoire naturelle

ディジョンの自然史博物館 鳥類の剥製が並ぶ展示室。この部屋だけ、昔ながらのガラスケースが使われている。 鳥の特徴的な嘴の形態と用途を、類似の道具(魚籠、ピンセット、杓子など)と共に展示したもの。 monstre(奇形)の標本。シャム双生児の剥製。こ…

ディジョン建築探訪

centre villeにある郵便局の建物(上部の金文字からすると、逓信局という方が正確かもしれない)。正面についた極彩色のモザイクが、晴れた日には燦然と光り輝く。雄鶏はフランス国の象徴。中央部分の屋根は船底を覆した形で、ヴィチェンツァのパラッツォ・…